はるまついぶき~ゼフィルスの卵

結局この前は二本記事を更新しただけで終わってしまった・・・笑
連続して書く予定だった記事をあげておきます。
 
僕は最近チョウを覚えようと思い、調べていると、とある種類の卵がミズナラの冬芽に産み付けられることを知りました。
今まであまり気にかけていなかったのですが、注意して見てみると意外とすぐに発見。
イメージ 1
芽の付け根についている白い粒がそうです。
ルーペなどを持っていなかったので正確な同定は出来なかったのですが、インターネット情報を参考にすると「ジョウザンミドリシジミ」か「オオミドリシジミ」か・・・っというところだと思われます。
これらはいずれもシジミチョウ科の一群「ゼフィルス」と呼ばれている蝶です。
ここでwikipediaより引用:
 
<ゼフィルスとは・・・>
分類学のレベルが低かった時代に、樹上性のシジミチョウの仲間を総括して Zephyrus と呼んでいたのが始まりで、語源はギリシャ神話の西風の神ゼピュロス。ちなみに「西風」はゼファー (zephyr) と呼ばれていた。
このゼフィルスに属するシジミチョウの雄は、木の枝の先端などで縄張りを張り、同種のチョウの雄が進入して来ると追いかけて縄張りから排除する習性を持つ。一般にが縦に長く、森林性が強い。ほとんどの種がブナ科植物を食べ、越冬する。成虫は6月から9月の間に発生し、年一化。
 
だそうで。
日本では、現在の分類で13属に分けられる25種類のゼフィルスが生息しているそうです。
彼らは大きさこそ控えめですが、成虫、特にオスは美麗な翅を持ち、メスばかりでなく我々をも魅了してくれます。
 
ところで、ミズナラの葉を幼虫時に食べるチョウ類(鱗翅目)は、蛾も含めると結構な数に上ります。
これはミズナラはたくさんの虫たちを養っている、とも言えますが、ミズナラの身にしてみればあんまりありがたい話ではありません。
そういうこともあり、ミズナラの葉っぱは春を過ぎるとタンニンと呼ばれる防御物質の量を増やしたり硬くなったりして、虫に食べられにくい性質に変化します。
すると、葉っぱを食べられなくなった幼虫たちは成長が十分でなくてもしぶしぶ糸を垂らして下へと降りていきます。
しかし、彼らはミズナラの葉っぱを諦めたわけではありません。
地面には芽生えたばかりのミズナラ(実生)が葉を広げています。
彼らはまだ成長するだけで精一杯なために、防御体制が比較的整っていません。
そこで今度は、幼虫たちは地面で芽生えたばかりのもの(実生)を目指すのだそうです。
一般に、実生は母樹の近くにあればあるほど生存率が低くなることが知られており、上記のような現象も、このことに大きく関わってくるものと考えられています。
また、実際の森では、これよりももっと複雑な攻防戦が静かに繰り広げられています。
そんな未来が近づいてくる中、この卵の中で眠る幼虫君はどんな夢を見ているのでしょうね。