サツマノミダマシ

【たまには蜘蛛でも】

僕は基本的に植物を愛でる人です。鳥類のような目立つ存在ならまだしも、昆虫やクモのような小さな動物にはなかなか手が出ません。

とはいえ、小さな生き物も生態系の中では結構重要な役割を担っているのだから、そのうち覚えたいなぁとは見かけるたびに思っている昨今。

そんなおり、鮮やかな緑色のクモを見かけました。さすがにこいつは特徴的だから調べやすいし覚えやすいだろうと判断し、撮ってきたのが以下の写真。

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【その名はサツマノミダマシ

コガネグモ科ヒメオニグモ属の一種、名を「サツマノミダマシ」というそうです。

サツマノミとはハゼノキの果実のとこで、緑色の腹部がそれによく似ているんだとか。

サツマノミダマシが巣の中心にいるのは普通夜間で、昼間は枠糸の端にいるらしいのですが、今回は昼なのに巣の真ん中にいました。おそらく暗い小雨の日であったため、あまり虫が通り掛からない/巣の中心にいても虫に気づかれにくい/天敵に襲われにくいなどといった状況が夜と似ていたのでしょう。

【ワキグロか無印か】

似た種にワキグロサツマノミダマシというのがいます。無印サツマノミダマシとの区別点は、腹部の側面から下が褐色(ワキグロ)か緑色(無印)かということだそうです。

件の個体を横から見てみると、ちゃんと緑色の脇でした。

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ワキグロは北海道にもいますが、無印は本州以南にしかいません。

本州ならではの生物との出会いを改めて認識すると、なんだか感慨深いです。

【蜘蛛と生態系】

クモは捕食者ですから、その生命は多種の食物連鎖、もとい食物網に支えられています。言い換えれば、クモの存在はその環境下にそれなりの生態系が成り立っていることを示唆しています。

このサツマノミダマシも例外ではなく、生き物のつながりの中で生きているのでしょう。