近況報告

ツブラジイの実

【シイの実は食える】 ナラ類カシ類のドングリは渋くて相当手をかけなければ食えたものではない。 そんな話を方々から耳にし、「野生の堅果は総じて食えないもの」とばかり思っていたところ、 シイの実は癖がなくて普通に食べられる。 むしろ子供の頃よく食…

フモトミズナラとミズナラ

【ミズナラより暖地に分布する「ミズナラ」】 東海地方には、フモトミズナラ 、という樹木が分布しています。 フモトミズナラは無印のミズナラに一見激似ですが、無印が生えない暖地に見られる樹種です。遺伝的にはコナラに近いとされる一方、モンゴリナラと…

サツマノミダマシ

【たまには蜘蛛でも】 僕は基本的に植物を愛でる人です。鳥類のような目立つ存在ならまだしも、昆虫やクモのような小さな動物にはなかなか手が出ません。 とはいえ、小さな生き物も生態系の中では結構重要な役割を担っているのだから、そのうち覚えたいなぁ…

ヤチダモの芽吹きは遅い

【自然の中での結婚式】 先日、北海道で結婚式を挙げました。式場は美しい自然に囲まれたチャペルです。 恵まれた立地を活かし、式場は周囲の自然が最大限に映えるような造りとなっています。 結果から言うと大成功の式だったのですが、実は準備段階から、僕…

ウワミズザクラの出現頻度と生態

【ウワミズザクラの疑問】 僕が住んでいる岐阜の林相については、僕自身まだまだ経験的に知らないことが多くあります。 昨冬に冬芽等による樹種同定を手伝う機会があり、奥地から持ち帰って来た枝枝を調べたときはかなり勉強になりました。 ただ、樹種を調べ…

街と森のあいだ

3度目の受験となった分類に関する資格の2級植物部門に合格しました。十分な勉強ができているとはいえず、お世辞にも知識があるとはいえない現状なので、少し複雑な嬉しさを感じます。このまま受験が恒例行事化するのかなと思っていた節もあり、来秋に大阪へ…

あえて乗っ越し

先日、ちょうど早起きできたので、山開きだった夜叉ケ池まで吸い寄せられるように登りに行った。体力の衰えゆえに思ったよりもペースが上がらず案の定ヘトヘトになった。手にした地図も「早く進みたい」という願望とのギャップが生じたためだいぶ読み間違え…

クマハギ対策

先日登った山にこんな風景を見つけた。 スギ(Cryptomeria japonica)たちが緊縛されている…? 人工林であることから、これが林業上の措置であることは推察できるが、目的がわからない。肥大成長すれば幹を締め付けてしまうのではなかろうか。いやSMじゃあるめ…

アセビ谷

全体的にアセビの多い山だが、特に堰堤が設けられた浅い谷では花が目立った。 もっと上まで登れば花が咲いている個体は他にもあったが、ここの目立ち方は特別だった。何か理由があるのかもしれない、と考えたくなる。

スミレの復習

久々に山を歩いて幾つかのスミレに出会った。 たぶんだが、オオタチツボスミレ、タチツボ、(ヒゲ)マルバ。 前二者は初めて同所的に見て、葉がこんなに違ったのか、と驚いた。 スミレサイシンの花後の姿もあった。デカすぎてカンアオイ類を疑ったのはここだけ…

春、はじめました

どうにか繁忙期も終わりに近づき、日曜日には散歩する余裕もできた。 桜前線は先週のうちに頭上を追加して、満開を迎えた個体の周りからはハナアブたちの賑わいが聴こえる。 ケヤキも花枝を芽吹かせた。あるいは先駆的なシダの繁殖葉みたいにも見える。 抱え…

河原の公園と樹木

近場の木曽川付近を散歩してみた。 いたるところに白い実をぶら下げた木がある。 センダン(Melia azedarach)という木らしい。沿海から丘陵の明るいところに生えやすい。ただしこの辺のは自生種ではないようだ。 近くにアキニレ(Ulmus parvifolia)と思しき木…

モチツツジの越冬

登り納めの金華山、モチツツジ(Rhododendron macrosepalum)がこんな時期に新しそうな葉を出していた。 そんな個体が随分と多く、むしろ例外がなかったので調べてみたら、やはりこの種は半落葉性だった。冬に落ちる葉がある一方で、冬を越す葉もあるのだ。 し…

シラカシ

とあるところにシラカシ(Quercus myrsinifolia)が記念樹として植えられていた。 よく見ると先端が黒変した葉が多い。 通水障害によるのか、気温変化などが影響しているのか、気になる。 地面には堅果がたくさん転がっている。 しかしそれ以上に、結実しそこ…

砂防ダムの紅葉

この時期にもまだ紅葉の終わっていない場所があった。 とある谷の砂防ダムの上に立つと、上流にはダムにせき止められ堆積した土砂が延々と連なっている。 自然愛護的見地に立てば、砂防ダムは問題だらけだ。 見ての通り環境を改変するし、土砂の下流への供給…

河原林かと思ったら

ジョギングの途中、気になっていた堤防下の林に分け入ってみた。 林縁にはエノキ(Celtis sinensis)があり、結構でかい個体もいる。しかしそれ以上に、この時期はクロガネモチ(Ilex rotunda)の赤い実が目立った。 ほかにもモチノキ(I. integra)やマンリョウ(A…

バーベナ

バーベナは園芸品種として聞く名前だが、野外で見たことは今までになかった。 道端で青紫色の花を見つけ、科もわからなかったため、やむなく知恵袋で聞いてみた。 ぼけているようで、ピントは手前の花に合っている。 花冠は5裂、葉は対生し鋸歯のある楕円形…

川の賑わい

ジョギングをしていると、川が鳥で賑わっていた。 ぱっと見、ダイサギとカワウだ。よく見えなくて、黒い鳥はクロサギか?と思ったが、クロサギは海辺の鳥。 悲しいことにご覧の通り、橋の上からでもちょっと近づくと一羽が飛び出し、つられてわらわらともっ…

コセンダングサ?

マルバヤナギのある川の堤防に黄色い花が咲いていた。 同定はできなかったが、なんとなくコセンダングサ(Bidens pilosa)に似ている。 コセンダングサは関東以西に分布を広げている帰化植物で、要注意外来生物に指定されている。 Bidens属の果実は痩果で、萼…

マルバヤナギの黄葉

マルバヤナギ(Salix chaenomeloides)は北海道で見たことがなく、今一番身近な存在となっている木の一つだ。 chaenomeloidesとは、「ボケ(Chaenomeles ほにゃらら)に似ている」という意味らしく、でかい托葉も葉の形も確かに似ている。 休日出勤の途中、ゆと…

ミズメ?

愛知の山奥で、ついにミズメ(Betula grossa)と思われる落ち葉を発見した。 ミズメ、、、だよな、、? カンバ類の中では珍しく南方系の種で、今まで見たことはなかった。 生原氏のウェブサイト「樹木の個性を知る、生活を知る」によれば、他のカンバ類と違っ…

テイカカズラの実

これは先週の話になるが、ササゲ類の豆の鞘のようなものが木からぶら下がっていて、何かと思ったらテイカカズラ(Trachelospermum asiaticum)の実だった。 袋果であり、中からは綿毛の生えた種が出てくる。 この毛は種皮に由来するといわれる。 日本産の木本…

ツマグロヒョウモン

三週間ほど前になるけど、覚え書き程度に。 川沿いの公園に、道産子の目には見慣れないタテハチョウがひらひら、それも何匹か飛んでいた。 近づいてカメラに押さえてみる。2種類の模様が撮れたが、調べてみると同種の雌雄だった。 ツマグロヒョウモン。 年に…

アオサギ

岐阜に越してきてから早8ヶ月。 あっという間に師走になってしまいました。 会社勤めの日々、毎日通る橋からの風景。 川の中によくアオサギがいます。 清流ではないけど、彼にとっては大事な川なんだろうな。 アオサギは釧路にもいて、コロニーが形成される…

道東周遊(茅野公園の話)

4月から縁あって岐阜に住むと思われるワテクシです。 そういうわけで、北海道を離れる前に個人的なゆかりの地である道東を巡ってきました。 このブログに関係ある訪問地を列挙すると、 ・岩見が浜 ・丘の上のミズナラ林 ・茅野公園 ・武佐の森 ・釧路湿原 …

無雪期最後の三角

つい先日、天気が良かったので三角山に行ってみました。 長い付き合いの山ですが、雪が無い時期に登ることはもう当面ないでしょう。 歩き始めてすぐに目に付くのは越冬葉たちです。 これはダイコンソウ類(Geum sp.)のロゼット葉です。 見た目はなるほどダ…

無意根リベンジ!

11月上旬に遡りますが、実は後輩と二人で札幌市の某M岳に登ってきました。 かの山には以前ひとりで歩いて登りに行き、途中で挫折した未練を残しています。 こんかいは、林道ゲートまで車でいけるし、リベンジを果たせるはず! と意気込んでの挑戦です。 ブロ…

何の木か思い出すととてもテンションが上がる

大雪山から下山すると禁断症状のように高熱を出したので、病み上がりに早速山に吸い寄せられるかの如く週を挟んで宮城沢と神威沢に行きました。 写真は昨日行ったばかりの神威沢です。写っている人は同行者A。携帯による撮影で、ご覧のとおり非常に画質が悪…

ああミネカエデ~この高潔なるもの~

久しぶりの投稿。最近僕はとある山奥に住み込みで働いており、このようにパソコンやインターネットや電気ガス水道などといった文明的な暮らしに戻ってくるのも大変久しぶりであります(一部誇張を含む)。 現在、山の上のほうでは僕の好きな花の中でも特に好…

スキー場跡地 in 2014

経営難に陥って閉鎖されてもスキー場はスキー場。そこでは滑走に適した斜面が無料で開放されているようなものなので、お金のない私のような人間は、山スキー練習のために大変恩恵を受けております。ということで、先日も後輩を連れて行ってまいりました。 前…