モチツツジの越冬

登り納めの金華山モチツツジ(Rhododendron macrosepalum)がこんな時期に新しそうな葉を出していた。

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そんな個体が随分と多く、むしろ例外がなかったので調べてみたら、やはりこの種は半落葉性だった。冬に落ちる葉がある一方で、冬を越す葉もあるのだ。
しかしどうやら落ちるのは「春葉」で残るのは「夏葉」なのだという。つまり今青々しく冬を迎えている葉の姿は、落ちようとしている葉のちょうど1年前の姿だ、というわけではない。
春葉が詰まった冬芽が、今は守られるかのように夏葉に囲まれている。

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夏葉を越冬させるのは、来春素早く光合成を再開する手立てなのか、それとも冬芽を守るのが第一の使命なのか、あるいは葉にためた養分を春葉に供給するなんて機能を備えていたりするのか、興味深い。
ともかくその需要は高いらしく、他にも半落葉性のツツジは存在する。ヤマツツジ(R. kaempferi)はモチツツジよりも小さいサイズのまま成長を止めて冬を越す。エゾムラサキツツジ(R. dauricum)も同じだろうか。こちらは北海道にいるときによく見ておけばよかった。