今日は「リラ冷え」か

 例年の通り、ゴールデンウィークには天塩地方へヒグマの調査に出ておりました。危ないことはなかったものの、真新しいヒグマの足跡を発見したり、車が雪にはまって動かなくなったり、ストーブが不完全燃焼で大変なことになったりと、なかなか刺激的な(笑)日々でした。
 そんな中から全く関係ない話題を一つ持ち出すと、調査で林道を歩いている時に、ふと地面を張っている植物を見つけ、名前が分からなかったので採取して持ち帰ったんですよ。
 で、あとから先輩に聞くと、そいつは「ヒカゲノカズラ(Lycopodium(ver. robustum))」という、シダに似た植物であることが判明しました。
 ヒカゲノカズラが属すヒカゲノカズラ植物門(Lycophyta)は、広義的にはシダの仲間ですが、シダ植物門(Pterophyta)やトクサ植物門(Sphenophyta)、マツバラン植物門(Psilitiphyta)とは一次維管束の構造や葉の起源などに違いが見出されます。また遺伝子的に、他のシダの仲間と比べると、ヒカゲノカズラ植物門は原始的な特徴を維持しているのだといいます。僕にとっては新領域。
 勉強のし甲斐がありそうです。わくわく。
 
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 はてさて、ヒグマの調査から帰ってきたら(これもいつものことながら)景色は一変。ずいぶんと春が深まっていまして、こちとら気温の高さに体を慣らすのが大変……と思っていたら、今日はずいぶんと涼しげ。実家のある網走地方(釧路から引っ越しました)では雪まで降ったんだそうで、これを聞いて僕は思わす笑いました。「釧路より寒いのか!」と(笑)。
 どうしてこんなことになったのか、と思って調べてみると、行き当たったのは「リラ冷え」という現象でした。
 「リラ冷え」とは、このころ(ライラック(リラ)の開花時期)にオホーツク海上で「オホーツク海高気圧」という冷たい高気圧が発達し、その冷気が送りこまれることによって北海道に低温がもたらされる、というものなのだそうです。天気図を見ると確かにオホーツク海上に高気圧がありますから、たぶんこいつのせいなのではないかと思います。
 ちなみに、オホーツク海高気圧は本州の梅雨とも関係があるみたいですね。興味深い。
 ところで、実を言うと、これから花見が(桜はもう散ってるけど)行われる予定なんですよよ。「リラ冷え」の最中に(笑)。
 寒いけど、参加しなきゃいけないだろうな。寒そうだな(笑)。
 
イメージ 1
(「Yahoo!天気・災害」より。上にオホーツク海高気圧)
 
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 士気を高めるべく、その前にちょっと三角山まで散歩しに行こうかな、なんて考える土曜日の昼下がりでした。