何の木か思い出すととてもテンションが上がる

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 大雪山から下山すると禁断症状のように高熱を出したので、病み上がりに早速山に吸い寄せられるかの如く週を挟んで宮城沢と神威沢に行きました。

 写真は昨日行ったばかりの神威沢です。写っている人は同行者A。携帯による撮影で、ご覧のとおり非常に画質が悪く、この沢で撮ったのもこの一枚だけでした。とほほ。。しかしなかなか素敵な所だったのでこれを機にまたちょいちょいの頻度で記事を更新していこうと思った次第です。

 この沢に沿って途中まで伸びる林道は歩き慣れているのですが、終点の先は未知。林道から入渓して詰めようとするといきなり滝が立ちはだかっているので迂回しました。

 最初の滝からなんとなく前途も予想はつくもので、案の定その先も落差のある場所が多く、さらに写真の通り両岸の斜面が急で沢幅はかなり狭いためエスケープもしづらいため、壮観であるうえになかなかアトラクション性がありました。おかげで長靴の中が水浸しの同行者も…。

 沢が狭いのはそれだけ母岩が掘れやすいということなのかな? なんて考えながら斜面を見ていくと、この地域ではあまり見たことのないヒメヤシャブシ(Alnus pendula)が…それもたくさん! この木は根粒菌(放線菌)と共生するため河岸のほか崩壊地にもよく育つそうです。なるほど木本もササも見られない部分が多く、斜面の崩壊しやすさがうかがえます。

 と、同行者Bがかろうじて生えている低木の冬芽を見てこの木はなんという種か聞いてきました。対生、冬芽は5ミリ以内で鱗片が幾重にも重なっており淡褐色。…うーんどっかで見たことがあるけど思い出せない。ヒントを探していると枝の隙間にノリウツギの枯れた花が落ちていてこれか…!!と思うも、まてまて冬芽が全然違うしよく見たらこの木もちゃんと自分の花の痕跡をのこしているじゃないか。枝先に付いたさく果の房。

 一生懸命考えたもののその場では分からずもやもや。しかし思い出すのは一瞬です。ひょんなタイミングで頭を打つような衝撃と共に脳裏に浮かんだのはハシドイ(Syringa reticulata)でした。モクセイ科、ライラックの仲間です。最初にであったのが低山の道上だったので身近な木という印象があっただけに、忘れるほど見つけることが少なかったのかと自分で驚きました。それにしてもかなりのアハ体験。旧友に出逢ったようでテンション爆上げです。

 それから間もなくしてそこそこの滝に遭遇し、直登するには装備などが不適でエスケープも不可のため沢詰めは敗退を余儀なくされましたものの、ハシドイのおかげで悔いは残りませんでしたとさ。ちゃんちゃん。

 ところで落ちているどんぐりは全然見なかったなあ。這いつくばって探せば無いことはないのでしょうが、浦幌ではじゃらじゃら落ちているという話を聞いたので、比較してこちらはあまり実成が良くないのかもしれない。